シェアハウスヘルシー通信vol.55～緑茶でダイエットできるってホント？カテキンの脂肪燃焼効果とは～

シェアハウスヘルシー通信vol.55
～緑茶でダイエットできるってホント？カテキンの脂肪燃焼効果とは～

2021.06.24

緑茶でダイエットできるってホント？カテキンの脂肪燃焼効果とは

こんにちは、管理栄養士の猪坂です。

緑茶がダイエットに良いという話を聞いたことはありませんか？「飲み物を飲むだけでダイエットに効果があるなんて本当なのかな？」と思っている人のために、緑茶がダイエットにきくのかどうか解説していきます。

1.カテキンのダイエット効果とは

緑茶がダイエットに良いといわれる理由は、緑茶に多く含まれている「カテキン」に、以下の2つの働きが期待されているからです。

①エネルギー消費量を増やす

②脂質代謝を促進する

カテキンとはポリフェノールの一種で、主にお茶に多く含まれる苦みや渋みの成分のことです。そしてポリフェノールとは、野菜や果物など多くの植物に含まれている苦味や色素の成分で、からだのサビつきを防止する作用があるため、健康に良い効果があるとして近年注目されています。

それではカテキンのダイエットへの効果について具体的に見ていきましょう。

①エネルギー消費量を増やす

まずは、「エネルギー消費量を増やす」という点です。

ダイエットを成功させるためには、「動いたりすることで消費するエネルギー」よりも「食べたりすることで摂取するエネルギー」のほうが小さくなる状態を作っていくことが大切です。消費エネルギー以上に食べてしまうと、余ったエネルギーは脂肪となり蓄積されてしまうためです。

そこをサポートしてくれるのがカテキンです。カテキンには、交感神経の働きを促すことでエネルギー消費量を増やす働きがあると考えられています[*1]。そうするとその分消費エネルギーが増えるのでダイエットには役立ちそうですよね。

実際に、高濃度茶カテキン588mg/340mlを4カ月飲み続けた結果、平均で体重が1.3kg減ったという研究もあります[*2]。個人差もあるため全員が必ず減量できるというわけではありませんが、効果があらわれた人もいるということがわかりますね。

②脂質代謝を促進する

次に「脂質代謝を促進する」働きです。

ダイエットのために脂肪を減らすためには、脂質の代謝がスムーズに行われる体内環境を作っていくことが大切ですが、カテキンはこの部分もサポートしてくれると期待されています。

カテキンには、脂肪組織や肝臓、骨格筋などで脂質の代謝を高める働きがあると考えられており、実際に茶カテキンをとりいれたマウスの肝臓で、脂質の代謝が高まったという研究もあります[*3]。

また、カテキンを多く含む飲み物を2ヵ月飲み続けたところ、運動の時の脂肪燃焼量が増えたという報告もあります[*4]。

効率よく脂肪燃焼を進めたい場合は、上手に活用すると良さそうですね。

2.カテキンダイエットを成功させる方法

「カテキンがダイエットに役立ちそうなことはわかったけれど、具体的に何をどのくらいとり入れればいいのか知りたい」という人のために、おすすめのとり入れ方を紹介します。

①濃い緑茶を選ぶ

健康な成人男性82人を対象に行った実験によると、カテキンを1日に500～600mg程度とると脂肪燃焼に効果的であったそうです[*5]。そのため、そのくらいの量を毎日継続的にとり入れると良いでしょう。

ただしこの量は、一般的なペットボトルの緑茶なら500mlのものを13～15本も飲まないととり入れることができません。少々非現実的なので、以下のようにカテキンがたくさん含まれている緑茶を選ぶと良いでしょう。

◆伊藤園　お～いお茶濃い茶

https://www.itoen.jp/products/detail.php?id=24

◆花王　ヘルシア緑茶

https://www.kao.com/jp/products/healthya/4901301324498/

また急須でお茶を淹れる場合は、湯のみ5杯分くらいが目安量になります[*6]。熱いお湯でつくると、よりカテキンが抽出されやすいですよ[*7]。

②飲むタイミングは運動の1～2時間前がおすすめ

脂肪を効率よく燃焼させるためには、緑茶を運動の1～2時間前に飲むのが良いといわれています[*8]。

忙しくてジムに行ってしっかり運動するのは難しい！という人の場合は、通勤や通学で歩くタイミングや、家事で掃除をしたり買い物に行ったりするタイミングを運動の時間ととらえて、その前に飲むと良いでしょう。

③バランスの良い食事と運動も実施する

カテキンにはダイエットを助けてくれる働きが期待できそうだということをお伝えしてきましたが、カテキンをとり入れるだけで劇的に痩せるということはありません。

あくまでも、バランスの良い食事と定期的な運動習慣をベースとし、その効果を高めるためのサポート役として考えると良いでしょう。

「緑茶を飲んだからお菓子を食べても太らない」「運動をしなくても緑茶を飲めばカロリーが消費される」ということはないので、その点は意識しておくようにしましょう。

3.カテキンを上手にとり入れてダイエットを頑張ろう

緑茶に含まれるカテキンのダイエット効果を解説してきました。カテキンには、エネルギー消費量を高めたり、脂肪燃焼を促進したりする働きが期待されているため、上手にとり入れることでダイエットが効率よく進むかもしれません。ただし飲むだけで劇的な減量につながるというものではありませんので、カテキンだけに頼り過ぎないようにして、食事調整と筋トレなどの運動を基本にダイエットを効率よく進めていきましょう！